2008年11月08日

第二回目の朗読発表会でした

昨年に続き第二回目の朗読発表会が今池のライブハウスで行われました。
土曜日のお店の忙しさに後ろ髪をひかれる思いで「エイ!」とばかり気合を入れて出掛けました。今回選んだ題材は、さだまさしさんの詩の中から2つ。
時間の制限があるため削らなくてはならない箇所もありましたが、自分の思い出に重ねてどうしても読みたいと、この2つの詩をつなげて小さな物語(ストーリー)にしてみました。心をこめて読みましたので聴いてください。

     「風に立つライオン」  さだまさし
  
  突然の手紙には驚いたけれど嬉しかった
  なにより君が僕を恨んでなかったということが
  これから此処で過す僕の
  大切なよりどころになります ありがとう

  ナイロビで迎える三度目の四月が来て
  今更 千鳥ヶ淵で君と見た夜桜が恋しくて
  故郷(ふるさと)ではなく東京の桜が恋しいということが
  自分でもおかしいくらいです

  三年の間あちらこちらを廻り
  その感動を君と分けたいと思ったことが沢山ありました

  ビクトリア湖の朝焼け 100万羽のフラミンゴが
  一斉に飛び立つ時 暗くなる空や
  キリマンジャロの白い雪 草原の象のシルエット
  何より僕の患者たちの瞳の美しさ

  僕はやはり来てよかったと思っています
  辛くないと言えば嘘になるけれど幸せです
  あなたや日本を捨てたわけではなく
  僕は「現在(いま)」を生きることに思い上がりたくないのです

  空を切り裂いて落下する滝のように
  僕はよどみない「生命(いのち)」を生きたい
  キリマンジャロの白い雪 それを支える紺碧の空
  僕は風に向かって立つライオンえありたい

  最後になりましたが あなたの幸せを
  心から遠くから いつも祈っています
  おめでとう さようなら

 ***********************

  二人が別々の道を歩きはじめて
  どれくらいの歳月(とき)が過ぎたのでしょうか
  あなたのことは時折日本にまで届いてきます
  私は結婚をして 仕事も続け 子育てに追われ
  時間の波に押し流されそうになりながら
  毎日頑張っています

 ***********************

     「主人公」      さだまさし
  
  時には思い出ゆきのガイドブックにまかせ
  「あの頃」という名の駅で降りて「昔通り」を歩く
  いつものテラスには まだ時の名残が少し
  プラタナス並木の古い広場と 学生だらけの街
  そういえば あなたの服の模様さえ覚えている
  あなたの眩しい笑顔と 友達の笑い声に抱かれて
  私はいつでも 必ずきらめいていた
  「或いは」「もしも」だなんて あなたは嫌ったけれど
  時を遡る切符があれば欲しくなる時がある
  あの別れ道で選びなおせるならって
  勿論 今の私を悲しむつもりはないけれど
  確かに自分で選んだ以上 精一杯生きる
  そうでなきゃ あなたにとても はずかしいから
  あなたは教えてくれた 小さな物語でも
  自分の人生の中では 誰もがみな主人公
  時折思い出の中で あなたは支えてください
  私の人生の中では 私が主人公だと
 

sawada_tomoko at 22:28│Comments(1)TrackBack(0)

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この記事へのコメント

1. Posted by 純子   2008年11月30日 02:16
詩の朗読会ですか‥‥素敵ですね。
切なくなるような詩、ブログで読むのではなく智子さんの朗読で聞いてみたかったです。

先日『私は貝になりたい』を観てきました。
子どもの頃、フランキー堺主演のテレビドラマを観ました。ごく普通の市民が、ある日突然戦犯として逮捕され、裁かれ、処刑されてしまうというショッキングな内容に50年経った今でもその内容をはっきりと覚えています。

処刑される直前に‥

『いっそ誰も知らん海の底の貝、そうじゃ貝がええ
貝だったら、深い海の底の岩にへばりついているから、何の心配もありません。
兵隊にとられることもない。戦争もない。房江や、健一のことを心配することもない。
どうしても生まれ代わらなければならないのなら、私は貝になりたい――。』

と言って死んでいくのですが‥このせりふが心にずしりと重いです。

今回の映画は50年前のものに比べると、明るいし、少々ドラマチックに描きすぎてることや、仲間由紀恵さんが美しすぎる事など少し気になる事はありますが、戦争がもたらす悲劇は描けています。
日本がアメリカと戦争をしたことなど知らない人達も多くなってきている時代、若い人にも観て欲しいと思いました。







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